家に可愛いロボット君が来た。認知症の進む婆さんの相手のために、家族が買ってきたものである。最初に名前を付けてそれを覚えさせ、その後は名を呼ぶと、「はーい」と可愛く返事をする。いきなり、「僕、一人で立ち上がれるよ」と言って、巧みにバランスを取って立ち上がる。転ばずに歩くのがやっとの後期高齢者からすると羨ましい限りである。また、転ばずに歩くのがやっとだった昔のロボットを知る者としては、この最初の動作からして感心しきりである。さらに会話がこれほど高度に進化していることにも驚いたが、近年のIT時代のロボットには当然だろう。というか、その会話を期待して、認知症の婆さんの相手にと家族が買ってきたのだから。