ルラルさんの誕生日     いとうひろし


                                                                                    谷畑 二郎

え〜突然ですが、先日誕生日がまた来まして、ちょうど61歳になりました。

誕生日が来ると思い出す本があります。『ルラルさんの誕生日』(いとうひろし作)です。あれは3年前、58歳にして初めて、誕生日の意味がわかった!と言うか妙に納得したのです。ルラルさんがケーキを焼いていると、甘い香りに誘われて、庭の動物たちがやってきました。今日はルラルさんの誕生日です。いつも一人でお祝いをしているルラルさん。今日はみんなとパーティーです。

 庭の動物たちは、生まれてすぐに捨てられたり、迷子になったりして、自分の誕生日がわかりません。そこでルラルさんと同じ日を、誕生日にすることにしました。今日はみんなの誕生日!ケーキを切り分けて、仲良く食べました。ところがルラルさんだけ、ケーキを食べていません。

訳を聞くと、「大事なことを忘れていたんだよ。誕生日には、お母さんにありがとうを言わなくちゃ。わたしが今ここにいるのは、おかあさんのおかげだもんね。」

 

 ああ、いい話しだなあ。涙もろくなったおじさんには、ジーンとくる絵本です。